アニメーター見本市でシンエヴァらしき映像が公開 あと予想


until You come to me. - 日本アニメ(ーター)見本市

 

シンエヴァの予告とも言える映像が出ました。

やっぱりANIMA的です。

 

■ 新劇とANIMAは基本設定をかなり共有している

 ANIMAでは補完計画を失敗するたびに地球の歴史が繰り返すという設定です。その際、月と地球の役割が入れ替わる形で再構成されます。rebuildは、作品の再構成でもあり、文字通り地球の再構成のことでもあります。

 今回のuntil you come to meでは、月に地球の物質が吸い上げられる様子まで描かれています。Qでは、月が大きいこと、大気がありそうということしかわかりませんでしたが、これで新劇エヴァが非常にANIMA設定に近いことがはっきりしました。完全に物質が移動すると、月が新しい地球になります。

 生命の歴史といっても数十億年ではなく、短縮された数千年からの繰り返しになるという設定だったと思います。貞エヴァで量産機の遺跡が残っているのは、入れ替えを無くしたヴァージョンでの再構築と考えれば筋が通らないこともありません。

 Qのパンフレットで石田彰が言うサイクルとは、こういった大きな歴史の循環のことです。短い時間ループのことではないので、都合のいいループ展開は無いので安心してください。

 またANIMAではシンジが初号機と心臓を共有しています。Qでは同化していたと言われていましたが今回の映像はそれも連想させます。

 

 シンエヴァでは本当に再構成が起こってしまうのか?月が新しい地球になり、人類はそこに移住するのか、それとも補完計画を食い止めて地球にとどまるのか。

 どちらも結末としては面白いと思いますが、Qで赤くなった格納庫に花が咲いていたのはなんとか戻そうとする伏線であるようにも見えます。ああいう息吹があるのに月に移住してしまうのは不自然です。

 

 ANIMAでは、そういうサイクルを制御しているのは月と地球にある対のモノリスです。ゼーレはその進行役です。新劇にはそういう石が無いので黒き月(大きいキノコみたいなやつ)あたりが媒介しているかもしれません。

 ANIMAには、大量のエヴァによる大戦の後という遺跡が登場します。それは前の世界の意志の痕跡だとかいう話ですが、そこで巨大なアスカ型エヴァを初号機が追い回す話が見どころです。

 Qのプラグスーツはやけに伸縮性がありそうなのは巨大化のためじゃないかとか、ここまで共通点があるなら後は登場キャラの巨大化・エヴァ化しかないようです。巨大な女型エヴァというのは山下いくとが何度か描いていたアイデアです。新劇ではエヴァの素体=中身が見えたことがありません。唯一出た手だけは、やけに白くて人間的です。シンではそういうエヴァサイズの巨大キャラの乱闘が見られるはずです。 

 

■until You come to meというタイトル

 サブタイトルのyouは大体主人公を指してきたのですが、その場合リリスの元に行くなら死ぬ感じがしますね。ただ、来るまで見守っているというなら貞エヴァのラストのレイの台詞と全く同じです。そこまで特異なタイトルではありません。

 

■(not)の意味の謎おさらい

 ついでに、まだよく知られていないと思うので、サブタイトルの(not)の意味のおさらいです。

 TVシリーズからの伝統で、序破Qも映画の中盤に黒地に白英字のアイキャッチが入ります。ここを境にサブタイトルのテーマが反転します。

 

序は孤独に放浪するシンジ→直後アイキャッチ→ミサト「あなたは一人じゃない」

you are alone → you are (not) alone

破は順調な前半、加持との会話で成長するシンジ→直後アイキャッチ→後半の失敗

you can advance  → you can (not) advance

Qはやり直しを提案したカヲル→直後アイキャッチ→やり直せないことが発覚

you can redo  →  you can (not) redo

 

 前半は(not)が見えない形で始まり、アイキャッチを境に(not)があるストーリーであることが判明するという仕組みです。それが、後半を見ても(not)があるかどうか、具体的にはシンジが進歩しているかどうかの議論がわかれるという効果ももたらしています。これだけでも、ファン層を揺さぶる目的を明確に持って作られているのがわかります。

 アナと雪の女王でも、スタッフはトロールを非難するべきと思って作っているのに、映像では楽しげとも不気味とも取れる皮肉な見せ方をしています。これを、そのまま楽しげな歌と思って聴いてしまう人も実際にいるのです。

 このように意図的に、露骨にテーマに二重性を持たせるのが流行しています。流行には乗るべきです。とはいえそれを序の段階から用意していたというのがエヴァのまともなところです。